社員の入社・退社の実務について
お役立ち情報 |社員の入社・退社の実務
この時期は社員の入社・退社の手続業務に追われている方々が沢山いらっしゃるかと思います。特に入社・退社の動きが少ない会社などは、事務担当者がどのように手続きしたらよいのか忘れてしまったりすることもあるでしょう。
まず社員が入社する時には、会社が入社前に準備しておくことや、新入社員に事前に提出依頼をしておくべき資料があります。
(1)入社時に提出してもらう必要がある書類
新入社員には、下記の資料等を入社時に提出してもらうようにします。その資料をもとに、ハローワークや年金事務所に提出する書類を作成します。
- ① 雇用保険被保険者証(前職がある場合)
- ② 年金手帳(紛失等した場合は、年金手帳の再発行を申請します)
- ③ 源泉徴収票(前職がある場合)
- ④ 扶養控除等(異動)申告書(扶養者の把握に必要)
このほか、採用選考の際などに使用した履歴書は、ハローワークや年金事務所に提出する書類や労働者名簿作成に必要です。また通勤手段や通勤距離、給与振込口座(給与が銀行振り込み等の場合)も確認する必要があるでしょう。
これらの書類は、チェックリストにしておく、あるいは、就業規則上に入社時の提出書類として記載しておくとよいでしょう。
(2)雇用保険の手続き
「雇用保険被保険者資格取得届」を入社日(資格取得日)の属する月の翌月10日までに会社所在地を管轄するハローワークに提出します。その時に、添付書類として、前職の雇用保険被保険者証、賃金台帳、出勤簿、労働者名簿、雇用契約書等が必要となります。添付書類は事前に管轄のハローワークに問い合わせておくとよいでしょう。
※65歳以上の人で、新たに採用される人等は対象になりません。
(3)健康保険・厚生年金保険の手続き
「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を入社日(資格取得日)から5日以内に会社所在地を管轄する年金事務所、あるいは健康保険組合や厚生年金基金に提出します。
また、新入社員に被扶養者がいる場合は、健康保険被扶養者(異動)届や国民年金第3号被保険者関係届(被扶養者が配偶者の場合)などの書類の提出が必要です。
その時に、添付書類として年金手帳(被扶養者が配偶者の場合)、在学証明書、住民税の非課税証明書(被扶養者が配偶者以外の場合)等が必要となります。
添付書類は事前に管轄の年金事務所、あるいは健康保険組合や厚生年金基金に問い合わせておくとよいでしょう。
社員が退社時に会社が行う事務手続き
会社を退職する人がいる場合は、雇用保険、健康保険・厚生年金保険の資格喪失手続きが必要になります。雇用保険と社会保険では退職する際の届出の提出期限が異なりますので気をつけましょう。(年金手帳を会社で保管している場合は、忘れずに退職する社員に返却しましょう)。
(1)雇用保険の手続き
「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を退職日の翌日から10日以内に会社所在地を管轄するハローワークに提出します。その時に添付書類として賃金台帳、出勤簿等が必要となります。添付書類は事前に管轄のハローワークに問い合わせておくとよいでしょう。
(2)健康保険・厚生年金保険の手続き
「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を資格喪失日(退職日の翌日)から5日以内に会社所在地を管轄する年金事務所、あるいは健康保険組合や厚生年金基金に提出します。その時に添付書類として健康保険被保険者証(本人及び被扶養者分)が必要となりますので、退職時に本人から返却してもらいましょう。
なお、退職する社員からは、退職届(自己都合退職の場合)の提出をしてもらい、名刺、制服等の会社の備品を返却してもらいましょう。