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エントリー「コア・ステラ通信2016年9月号」

コア・ステラ通信2016年9月号

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平成28年9月号(第13号)

社会保険労務士法人コア・ステラ通信

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平成27年度「過労死等の労災補償状況」が公表されました

◆過労死等の労災請求件数が増加

bg-newsletter13-1 厚生労働省から2015年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。
脳・心臓疾患の労災請求件数は795件(前年度比32件増)、業務上と認定された支給決定件数は251件(同26件減)で、このうち死亡件数は96件(同25件減)となりました。

◆精神障害の労災請求件数も増加

また、精神障害の労災認定については、請求件数は1,515件(前年度比59件増)となり、このうち自殺件数(未遂を含む)は199件(同14件減)でした。
支給決定件数は472件(同25 件減)となり、このうち未遂を含む自殺の件数は93件(同6件減)でした。

◆「時間外労働80時間」で立入調査の対象に

過労死等の労災認定については、「死亡・発症前における長時間労働の有無」が判断材料の1つとなります。
脳・心臓疾患については、発症前1カ月間におおむね100時間の時間外労働があると業務災害であると判断されやすくなります。また、精神障害については、発病直前の1カ月におおむね160時間の時間外労働があると業務による心理的負荷が「強」と判断され、業務災害であると判断されやすくなります。
なお、今年度から、労働基準監督署が企業に立入調査に入る際の基準が引き下げられました。これまでは「100時間」の時間外労働が基準でしたが、これが「80時間」に引き下げられており、対象が大幅に拡大されています。

◆長時間労働のリスク

長時間労働は従業員も会社も疲弊させてしまい、どちらにとっても好ましくない結果につながるリスクが増大します。恒常的に長時間労働となっていると問題解決の視点が見えにくくなりますので、早期の改善が必要です。

「高年齢者の労働災害」を未然防止するための対策

◆企業にとっての重要課題

現在、高年齢者の労働災害防止は重要な課題となっています。
厚生労働省の「第12次労働災害防止計画」によると、60歳以上の労働者の死亡災害発生率(危険度)は若者の3.6倍、また、50歳以上の労働者が全死亡災害の56%を占めています。
労働者の定年延長や退職者の再雇用が進み、企業の人手不足感から高齢者の積極的な活用というニーズが生じている中で、高年齢の就業者は今後さらに増えることが見込まれますので、対策は急務です。

◆加齢による身体機能の低下に伴う労災が多い

高年齢者の労働災害では「墜落・転落・転倒」が多数を占めます。加齢により、平衡感覚や筋力・視力・聴力、鋭敏性が低下することがその要因の1つです。
財団法人労働科学研究所によると、55歳~59歳の身体機能は20歳~24歳と比較すると、平衡機能は48%、薄明順応は36%、視力は63%、瞬発反応は71%など、大きく低下しますが、高年齢労働者自身は自分の身体機能の低下を軽く見る傾向にあり、注意を促してもあまり危機意識を持たないということも多いようです。
また、高年齢者の場合、傷害が重篤化して休業も長期化する傾向にあります。復帰しても、予後が思わしくないことも少なくありません。

◆対策には「加齢」を意識することが肝要

このような高年齢者の労働災害を未然に防止するためには、特に「加齢」を意識した対策を講じることが求められます。
例えば、身体機能の低下に配慮して作業負荷を軽減するような作業方法を定め、その方法が適切に実施されるように管理する、労働者個人の健康の状態をチェックして異常を早期に発見するためのシステム作りを行い、健康を管理する、といった対策が考えられるのではないでしょうか。

◆9月度の税務と労務の手続提出期限[提出先・納付先]

  • 30日
  • 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
  • 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)
    <雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

編集後記

bg-newsletter13-2 今更ですが、皆様はNHK大河ドラマ真田丸をご覧になっていますでしょうか?私は時代劇でありながら現代劇の台詞に親しみを感じ ています。また、放送の最後に真田氏に関する地域の紹介がされていますが、戦国時代においても人の行き来は盛んに行われていたということに、人間の力強さを感じました。