コア・ステラ通信2017年10月号
お役立ち情報 |平成29年10月号(第26号)
社会保険労務士法人コア・ステラ通信
連絡先 : 〒386‐0005
長野県上田市古里1975番地6 ダイヤタワー上田インター2F
電 話 : 0268-26-7311 FAX : 0268-26-7312
e-mail:info@sr-koastella.jp
従業員が「iDeCo」に加入する際に
事業主が行わなければならない事務手続とは?
◆改正を契機に加入者数が増加
今年1月からの改正確定拠出年金法の施行により、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)は、基本的に20歳以上60歳未満のすべての方が任意で加入できるようになりました。
◆iDeCoの仕組み
iDeCoは、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金の1つであり、加入者の老後の所得確保の一助となる制度です。加入者が自ら定めた掛金額を拠出・運用し、原則60歳以降に、掛金とその運用益の合計額をもとに給付額が決定し、給付を受ける仕組みとなっています。
◆事業主が行わなければならない事務手続は?
企業で働く従業員がiDeCoに加入する際、事業主が行わなければならない事務手続が発生しますが、そのポイントは以下(1)~(5)の通りです。
厚生労働省では、従業員がiDeCoへの加入を希望した場合に速やかに加入できるよう、事業主への協力を呼びかけています。
-
事業所登録
加入者となる従業員(2号被保険者)を使用する事業所は、国民年金基金連合会(国基連)に事業所登録を行います。 -
事業主証明書の記入
加入を希望する従業員から提出される事業主証明書に必要事項を記入します。 -
事業主証明(年1回)
年に1回、国基連が加入申出時に得た情報をもとに、加入者の勤務先に資格の有無の確認を行いますが、その際に事業主の証明が必要となります。 -
事業主払込の場合の掛金納付
加入者が事業主払込を希望する場合、事業主から国基連に掛金を納付します。 -
年末調整
所得控除があるため、加入者が個人払込を選択した場合は年末調整を行います。
監督指導による賃金不払い残業の是正結果(平成28年度)
◆監督指導結果の発表
厚生労働省は、時間外労働等に対する割増賃金を支払っていない企業に対して労働基準法違反で是正指導した結果(平成28年度分)を取りまとめ、公表しました。
全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成28年4月から平成29年3月までの間に不払いだった割増賃金が支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめています。
◆平成28年度の是正結果のポイント
- 是正企業数:1,349企業(前年度比1企業増)
…うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業 - 支払われた割増賃金合計額:127億2,327万円(同27億2,904万円増)
- 対象労働者数 :97,978人 (同5,266人増)
- 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり943万円、労働者1人当たり13万円
◆遡及支払金額別の詳細
-
100万円以上の割増賃金の遡及支払状況
業種別でみると、「商業」が304件で最も多く、次いで「製造業」の267件が続いています。
業種別の労働者数でみると、「製造業」の19,447人が最も多く、次に「保険衛生業」の17,103人となっています。 -
1,000万円以上の割増賃金の遡及支払状況
業種別でみると、「製造業」と「商業」がともに34件、「保険衛生業」が23件で全体の半分を占めており、対象労働者数は、「商業」9,563人、「製造業」7,617人となっています。
◆今後の取組み
今後も、厚生労働省による賃金不払残業の解消に向けての取組みや、労働基準監督署による指導は強化されていきますので、企業としても今まで以上に徹底した労務管理が求められます。
10月の労務の手続提出期限[提出先・納付先]
- 10月31日
- 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月~9月分>[労働基準監督署]
- 労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]
- 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
- 外国人雇用状況告(雇用保険の被保険者でない場合)
<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
編集後記
某コンビニエンスストアでは、新潟県の水と宮崎県の水が、オリジナルブランドとして販売されています。その違いは硬度です。新潟の水は17、宮崎の水は150です。飲み比べると少しだけ違いを感じることができ、その日の気分でどちらを選ぼうかという楽しさがあります。