コア・ステラ通信2019年3月号
お役立ち情報 |平成31年3月号(第43号)
社会保険労務士法人コア・ステラ通信
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年次有給休暇(年5日)の確実な取得について
◆2019年4月から対応が求められますので、以下ご確認ください。
① 対象者
年次有給休暇が10日以上付与される従業員が対象です。
なお、週所定労働日数が1日、2日の従業員は勤続年数に関わらず対象外です。
また、週所定労働日数が3日の従業員は勤続年数が5年6ヶ月経過後、週所定労働日数が4日の従業員は勤続年数が3年6か月経過後から10日付与されます。
② 年5日の時季指定義務
会社は従業員ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。
③ 会社が時季指定をする場合
会社は会社が時季指定するにあたっては、従業員の意見を聴取しなければなりません。また、できる限り従業員の希望に沿った時季に取得できるよう、聴取した意見を尊重するように努めなければなりません。
④ 会社が時季指定をしない場合
既に5日の年次有給休暇を請求・取得している従業員に対しては、会社による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。 (※)従業員が自ら請求・取得した年次有給休暇の日数や、労使協定で計画的に取得日を定めて与えた年次有給化の日数(計画年休)については、その日数分を時季指定義務が課される年5日から控除します。 つまり、
- 「従業員自らの請求・取得」、「会社による時季指定」、(「計画年休」)のいずれかの方法で従業員に年5日以上の年次有給休暇を取得させれば足りることになります。
- これらいずれかの方法で取得させた年次有給休暇の合計が5日に達した時点で、会社から時季指定をする必要はなく、またすることもできなくなります。
⑤ 年次有給休暇管理簿の作成について
会社は従業員ごとに、年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。
年次有給管理簿には、基準日、日数及び時季を従業員ごとに明らかにして作成し、当該年休を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。
基準日:年次有給休暇を付与した日
日 数:基準日から1年以内の期間における年休取得日数
時 季:年次有給休暇を取得した日
⑥ 就業規則への規定
休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)であるため、会社による年次有給休暇の時季指定を実施する場合には、時季指定の対象となる従業員の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。
(規定例)第○条
1. 項 ~ 4. 項(略)
5. 年次有給休暇が10日以上与えられた従業員に対しては、付与日から1年以内に、当該従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が従業員の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、従業員が自ら年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。
まとめ
◆年次有給休暇の取得手順
①従業員自らが請求・取得した年次有給休暇の日数も含めて5日取得させることが必要となりますので、対象となる全従業員に対して、5日は有給休暇を取得するように促します。
②年次有給休暇の取得が進まない従業員に対しては、話し合いや声がけをして従業員の自発的な取得を促します。
③基準日から1年以内に5日の取得が自発的にされない場合は、会社から時季を指定して有休を取得させます。その際は、就業規則への記載が必要となります。
以上のような方法で進めていただくのが良いと考えます。
具体的な年次有給休暇の取得方法、管理方法等につきましては、お客様に合わせてご対応させていただきますので、ぜひお声掛けください。
3月の労務の手続提出期限[提出先・納付先]
- 4月1日
- 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
- 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)
<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
編集後記
働き方改革がいよいよ始まります。今回は年次有給休暇を取り上げましたが、今後は時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金等につきましても情報提供をさせていただきます。