コア・ステラ通信2019年10月号
お役立ち情報 |令和元年10月号(第50号)
社会保険労務士法人コア・ステラ通信
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シニア世代の就業・生活スタイルの動向
~NRI社会情報システム調査
◆調査の概要
株式会社野村総合研究所のグループ会社であるNRI社会情報システム株式会社が、全国の55~79歳の2,000人を対象に、シニア世代の就業状況や働く意識、ライフスタイルや価値観などについてインターネット・アンケート調査を行い、その結果が公表されています。
◆就業実態
最も特徴的な点として、64歳までの男性の正社員の割合は50%以上を占めるのに対し、65歳以上になると正社員で働く割合が20%を切ることがあげられます。また、女性の場合でも、64歳までの正社員割合が、65歳以降では3分の1程度に減少しています。
◆今後の就業意識
現在就業中の65歳未満のシニア世代に何歳まで働きたいかとの質問では、現在正社員の方もパート・嘱託の方も平均して70歳頃まで働きたいと回答しています。
60歳未満の正社員に将来の働き方を尋ねると、約7割が60歳代前半までは正社員で、65歳を超えたらパートや嘱託など非正規での就業を望み、70歳以降はシルバー人材センターなどの臨時・短期の仕事などを求める傾向にあるようです。
◆生活満足度
50歳代後半と60歳代後半の生活満足度を比較すると、就業状況以外のすべての項目で年齢とともに満足度が高くなる傾向がわかります。特に、家族や友人などの人間関係や趣味・娯楽、地域との関係などの満足度の上昇が目立ちます。
65歳までの定年延長・再雇用は定着しつつありますが、それ以降の就業状況の満足度が低いことから、自分に合った多様な働き方を求めるシニア世代と、戦力を求める企業との間に温度差があることは否めませんが、この調査結果は企業のシニア活用を進めるうえで参考の一つとなり得るでしょう。
「老後2,000万円問題」で改めて退職金制度に注目?
◆日本人の5割超が現在の資産や貯蓄に不満足?
内閣府が8月30日に公表した2019年度の「国民生活に関する世論調査」結果によれば、現在の資産や貯蓄について「不満」「やや不満」と答えた人の割合は計54.3%で、前年より2.1ポイント増えました。
一方、現在の所得や収入に「不満」「やや不満」は0.8ポイント減の計45.6%で、所得や収入については3年連続で「満足派」が「不満派」を上回る結果となっています。
内閣府政府広報室によると、資産や貯蓄に関する不満が高まった理由に、「老後2,000万円問題」が影響した可能性はあるということです。
◆個人型確定拠出年金の制度見直しで「安心」をアピール?
そうしたなか、厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会で検討された、個人型確定拠出年金(以下、「iDeCo」という)の制度見直し案にも関心が高まっています。
同部会では、すべての会社員がiDeCoに加入できるようにするとともに、現在の60歳から65歳へと加入可能年齢を引き上げる等の見直しを含む改正法案を、来年の通常国会に提出することを目指すとしています。
◆iDeCoを活用した退職金制度で、若者の採用・定着を目指す
公的年金の所得代替率が現役世代の5割程度となることを目標として公的年金制度が運用される以上、ビジネスパーソンが老後資産の形成のため何らかの自助努力をすることは、もはや不可欠です。
上記の制度見直しでは、iDeCoのみに限らず企業型確定拠出年金についても、企業の事務負担を軽減したり導入のハードルをより低くしたりする等が検討されています。
現在、従業員数300人以下の中小企業で一時金や年金のかたちで退職給付を支給する企業の割合が年々下がっていますので、こうした見直しを機に従業員の資産形成を支援する仕組みを導入し、若者に長く安定して働いてもらえる会社という魅力をアピールできるようにしてみてはいかがでしょうか。
10月の労務の手続期限[提出先・納付先]
- 10月31日
- 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
- 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)
<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所] - 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月~9月分>[労働基準監督署]
- 労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]
編集後記
ラグビーのワールドカップが日本で開催されています。普段はラグビーを見ることはないのですが、今回は毎試合見ています。今のところ3連勝で来ていますので、日本開催という地の利も生かして、ぜひ決勝トーナメントに進んでほしいと願っています。