コア・ステラ通信2015年12月号
お役立ち情報 |平成27年12月号(第4号)
社会保険労務士法人コア・ステラ通信
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希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は?
◆70歳以上まで働ける企業は過去最高に
厚生労働省が2015年の「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)を発表し、希望者全員が65歳以上まで働ける企業が10万8,086社(前年比4,500社増)となり、割合は72.5%(同1.5ポイント増)となったことがわかりました。
今回の集計対象は常時雇用する労働者が31人以上の企業(約15万社)となっています。
なお、条件付きを含めて70歳以上でも働ける企業は約3万社に上り、比較可能な2009年以降で過去最高を記録しています。
◆高年齢者雇用確保措置の実施状況
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」では、65歳までの安定した雇用を確保するため、1946年4月以降に生まれた従業員に対して、企業に「定年制の撤廃」「定年年齢の引上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じるよう義務付けており、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況の報告を求めています。
全体の状況としては、同措置を実施済みの企業は99.2%(14万7,740社、同1.1ポイント増)となっており、企業規模別でみると、中小企業では99.1%(13万2,318社、同1.1ポイント増)、大企業では99.9%(1万5,422社、同0.4ポイント増)となっています。
◆今後の取組みは?
高年齢者雇用確保措置を実施していない企業(31人以上規模企業)が1,251社あることから、同省ではこれらの企業に対し、都道府県労働局やハローワークを通じて重点的な個別指導を実施するとのことです。
その他、高年齢者が年齢にかかわりなく働き続ける「生涯現役社会」の実現に向けて、ハローワークに65歳以上の求職者専門の窓口を設けるほか、2016年度からは65歳以上の従業員を多く雇う企業への助成金を拡充するなど、高年齢者の雇用環境を整える方針です。
「非正規労働者」増加の実態と正社員転換・待遇改善の動向
◆非正規労働者が初めて4割に
厚生労働省が10月に発表した「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、パートや派遣などの正社員以外の労働者の占める割合が昨年10月1日時点で40.5%と、1987年の調査開始以来、初めて4割に達したことがわかりました。
また、非正規労働者を雇う理由としては「賃金の節約のため」(38.8%)が最も割合が高く、労働者が非正規雇用で働く理由は「自分の都合のよい時間に働けるから」(37.9%)が最も割合が高くなっています。
◆非正規が増加の原因は?
非正規雇用が増加している原因として、「改正高年齢雇用安定法の施行により、高年齢者が定年後に非正規社員として再雇用されるケースが増えている」ことが挙げられます。
◆正社員への雇用転換推進の動き
厚生労働省は9月末に、「正社員転換・待遇実現本部」を設置し、2015年度中に展開する「正社員転換・待遇改善に向けた緊急対策」の内容を公表しました。
具体的な取組みとして、経済界(経団連、中小企業団体中央会、日本商工会議所)に対し、非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善対策の実施を要請、業界団体や事業所への訪問等を通じ、対策の周知啓発や関連助成金制度の活用促進等の働き掛けを実施することとしています。
来年1月には、「正社員転換・待遇改善実現プラン策定(5カ年計画)」が策定され、正社員として採用した企業への助成金を拡充、不本意な非正規比率などに目標値を設定するなど非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善等の雇用対策について取り組むこととしています。
12月の税務と労務の手続提出期限[提出先・納付先]
- 31日
- 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
- 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
- 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
- 外国人雇用状況告(雇用保険の被保険者でない場合)
<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
編集後記
暖かい日が続いておりましたが、最近になってようやく冬の気配が感じられるようになってきました。最低気温も氷点下となり、回りの山々は雪で白くなり始めました。私は、11月の下旬にスタッドレスタイヤに履き替えました。タイヤを履き替えると冬になったことを実感いたします。 年末にかけての忙しい時期ですが、健康にご留意され、よい新年を迎えられますようお祈り申し上げます。