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エントリー「コア・ステラ通信2018年6月号」

コア・ステラ通信2018年6月号

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平成30年6月号(第34号)

社会保険労務士法人コア・ステラ通信

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日商による「専門的・技術的分野の外国人材受け入れに関する意見」

◆中小企業の人手不足の現状と外国人材受け入れのニーズ

 日本における労働人口の減少は年々加速し、日本商工会議所(以下、日商)が2018年3月に実施した調査では、「人手不足」と回答した企業の割合が4年連続で上昇し、66.7%に達しています。こうした背景のもと、外国人材に対する期待と関心がこれまでになく高まっています。
 2017年10月末現在、外国人労働者を雇用している事業所数は約19万事業所、外国人労働者数は約128万人で、近年、右肩上がりの状況が続いています。

◆現行の出入国管理制度

 現行の出入国管理制度は1952年の入管法整備以降、受け入れる外国人材は「専門的・技術的分野の外国人」を原則としていて、限定的な受け入れとなっています。単純労働者とは異なる一定の専門性・技能を有する外国人材であっても、「専門的・技術的分野」の要件に合致しなければ在留資格が付与されず、就労することができません。日商の調査によると、中小企業が求める外国人材は「一定の技術を有した専門職層」や「即戦力となるようなミドル人材」が多く、また、人手不足に苦慮する各業界・企業から、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを求める「生の声」が数多く聞かれることがわかりました。

◆日商の提言

 そこで日商は、現行の出入国管理制度では認められていない、一定の専門性・技能を有する外国人材を「中間技能人材(仮称)」と定義し、新たな在留資格を創設したうえで、積極的に受け入れていくことを要望する意見書を取りまとめました。以下、簡単にまとめます。

  • 「中間技能人材」の創設にあたっては、原則、人手不足の業種・分野であることを受け入れの基本的な条件とし、期間は他の在留資格と同様に5年を上限に更新可とすべき
  • 「中間技能人材」の受け入れ業種・分野を判断する際には、①業種・分野ごとの人手不足の状況に基づき、受け入れの可否および総量を検討する、②業種・分野ごとの人手不足を測る指標には有効求人倍率や失業率等を用いる、③有効求人倍率が1倍を超える期間が続いているなど、人手不足が一過性ではなく一定期間続いており、かつ、将来的に改善する見込みが希薄であること、の3点を基本的な考え方とすべき
  • 「中間技能人材」は、政府が設定した業種・分野ごとに求められる専門性・技能を有し、かつ専門性・技能を裏付ける要件として、(1)母国における5年程度の実務経験および高卒以上の学歴を有している者、(2)技能実習修了者、(3)わが国の国家資格等取得者のいずれかに該当する者とすべき

その他、在留管理の在り方、外国人材および企業に対する支援体制、「中間技能人材」以外の外国人材の受け入れ等についても提言をまとめています。

厚労省が過労死等防止対策大綱の改定案を公表

◆平成27年に策定された現行版を改定

 厚生労働省は4月24日、過労死等防止対策大綱の改定案を公表しました。大綱では、過労死や過労自殺を防ぐために国が取るべき対策がまとめられています。3年ごとに見直すこの大綱を、政府は今夏にも閣議決定する方針です。今回の改定案では、将来的に過労死をゼロとすることを目指し、労働時間、年次有給休暇の取得、勤務間インターバル制度およびメンタルヘルス対策について、数値目標を設定することが盛り込まれました。

◆労働時間

 平成32年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とするとしています。また、長時間労働の是正対策として、労働時間をICカードなどの「客観的な記録」で会社側が確認することを原則とすることが新たに明記されています。
 さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正し、働く人の健康を確保することによって、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていくため、原則として、月45時間かつ年360時間とする時間外労働の限度について周知・啓発を行う方針です。

◆年次有給休暇の取得

 取得率は5割を切っています。これを平成32年までに70%以上とし、特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取組みを推進するとしています。

◆勤務間インターバル制度

 欧州では1日24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保を義務化していることを参考に、導入を促進します。平成29年の調査では、制度の導入割合はわずか1.4%でした。制度を導入していない企業(92.9%)のうち制度を知らなかった企業が40.2%で、この周知が課題となります。今回、新たに数値目標を盛り込むこととしています(ただし、数値は未定です)。

6月の労務の手続提出期限[提出先・納付先]

  • 7月2日
  • 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
  • 外国人雇用状況告(雇用保険の被保険者でない場合)
    <雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

編集後記

 関東甲信地方も梅雨入りが発表されました。雨が降る日は少し憂鬱になりそうですが、あじさいの花が咲き始める時期ですので、傘を持って出かけてみようと思っています。