コア・ステラ通信2018年12月号
お役立ち情報 |平成30年12月号(第40号)
社会保険労務士法人コア・ステラ通信
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留学生の日本企業への就職事情(平成29年度法務省発表資料より)
◆外国人労働者の市場
現在、日本国内で働く外国人は128万人にのぼり、労働力の50人に一人が外国人であるといわれています。今回は、在留資格のひとつ「留学生」について、平成29年度における留学生の日本企業への就職事情が法務省の入管局より発表されましたのでまとめます。
◆留学生の日本企業への就職実態
「留学」等の在留資格から、日本国内企業への就職を目的とした在留資格の変更は、22,419人が許可されています(前年比15.4%増)。変更後の資格は「技術・人文知識・国際業務」が全体の91.4%を占めています。
- 主な国籍・地域としては、約半数が中国で10,326人(46.1%)、次いでベトナム、ネパール、韓国、台湾となっており、アジア諸国だけで全体の95.5%を占めています。
- 就職先の業種としては、非製造業が81.1%、製造業が19%となっています。非製造業では、商業・貿易(9.5%)およびコンピュータ関連サービス(7.7%)が上位を占めており、製造業では一般機械および電気(共に3.1%)が上位を占めています。
- 職務の内容としては、翻訳・通訳が最も多く23.8%で、販売・営業(14.1%)、海外業務(9.5%)、技術開発・情報処理(6.3%)と続きます。
- 留学生の最終学歴については、大学卒業者が10,196人(45.5%)と半数近く、次いで大学院卒業者が5,477人(24.4%)の順となっており、両者で全体の約70%を占めています。他に多かったのは、専修学校卒業者で4,869人(21.7%)となっています。
- 就職先企業等の所在地については、東京都が9,915人(44.2%)と圧倒的に多く、大阪府2,228人(9.9%)、神奈川県1,278人(5.7%)と続きます。
留学生が日本企業等へ就職する割合は年々増加し、5年前と比較すると約2倍以上に増えています。そして、出入国管理法の改正により、来年4月から新しい在留資格が生まれ、今後ますます外国人の雇用市場は活発になることが予想されます。外国人労働者の受け入れを検討している企業は、制度改正の動向に注目することはもちろん、受け入れ後の管理体制の準備にも注意が必要です。
定年延長の導入状況と課題
◆定年延長の状況
(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が「定年延長」に関して行った調査(定年延長実施企業調査)の結果等をまとめた資料が公表されており、定年延長への企業の対応状況がわかる内容となっていますのでご紹介します。
現時点では、60歳定年(65歳までの継続雇用)とする企業が7割以上となっていますが、65歳以上を定年とする企業も着実に増え、25,000社(2017年時点)を超えています。
定年延長をする場合、定年年齢を「65歳」とする企業が80%を超えています。また、95%の企業が全社員を対象にしていますが、特に人手不足な職種(運転手、薬剤師、介護職、清掃・警備職等)に対象を限定する企業も一部あります。
なお、定年延長に伴って「役職定年」を導入した企業は13%で、規模が大きいほど導入していますが、それでも20%程度です(30人以下:9.3%、301人以上:21.2%)。
◆仕事内容と賃金水準
引き上げられた定年年齢までの仕事内容は、それ以前と同じである企業が9割以上となっています(59歳以前とまったく同じ:53.8%、まったく同じではないが大体同じ:42.5%)。特に運輸業では、99.1%が同じ(まったく同じ・大体同じの計)となっています。仕事の中身が同じだとすると、賃金をどうしているのかも気になるところです。
定年延長にあたって社員全体の人事・賃金制度の見直しを行った企業は30.2%、行わなかった企業は67.1%でした。賃金についても、「59歳時点と変わらない」が61.5%でした。
一方、59歳時点の水準と異なる場合の決定のしかたでは、多いほうから順に「個別に決めている」「等級やランクなどで異なる」「全員一律で同じ水準」となっています。59歳時点の賃金水準を10割として65歳時点の賃金水準をみると、「10割以上」が58.3%を占めており、「9割」の8.5%と「8割」の10.4%も合計すると77.2%の企業で8割以上としていることがわかります。
◆定年延長の提案は経営層から
大半の企業で、定年延長に向けて検討を開始してから実際に定年を引き上げるまでの期間は、半年から1年程度です。また、定年延長の提案は圧倒的(77.5%)に社長などの経営陣によるものです。
12月の労務の手続提出期限[提出先・納付先]
- 12月31日
- 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
- 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)
<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
編集後記
平成30年最後のコア・ステラ通信となりました。今年も格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。来る年の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。