コア・ステラ通信2022年2月号
お役立ち情報 |令和4年2月号(第76号)
社会保険労務士事務所 ステラ通信
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今月のトピックス
◆4月から公的年金0.4%減となります
厚生労働省は2022年度の公的年金の支給額を前年度から0.4%引き下げると発表しました。2年連続の引下げとなります。支給額は賃金や物価の変動率に応じて毎年改定されますが、今回は賃金が0.4%減、物価が0.2%減となり、今年度分からの賃金に合わせて支給額を変える新ルールにより減ります。マクロ経済スライドによる減額は2年連続で行われず、たまっている差引き分は計0.3%となります。
◆雇用保険料を2段階で引上げ法案を閣議決定
政府は、雇用保険料の段階的引上げを柱とする雇用保険法等改正案を閣議決定し、国会に提出しました。新型コロナウイルス対応で保険財政が苦しくなったことから、現在、労使で賃金の計0.9%とされている保険料率を、
2022年4月から9月は、0.95%に、同年10月から翌年3月は、1.35%に引き上げます。
加えて、雇用情勢が悪化した場合には、一般会計から雇用保険に財源を投入できるルールもつくるとしています。
ミニ労務
〜問題社員に対する賃金の減額は・・〜
弁護士 西川暢春著より
◆雇用契約に基づき、賃金を正しく支払うことは従業員との信頼関係の基本であり、法的にも賃金の減額は例外的な場面でのみ認められます。問題社員に対応する中で、賃金を切り下げたいという場面が出てくることもありますが、法律上認められないような賃金の減額はしないことです。
◆法律上賃金の減額が認められるのは、
「本人が減額に同意した場合」「役職者を降格させ給与を引き下げる場合」「懲戒処分による場合」「就業規則の変更による場合」「人事考課に基づく等級の引下げに伴う場合」などです。
(1)本人が同意した場合
- 賃金の減額は、従業員の個別の同意により行わなければならないことが原則です。
そして、その同意は書面で取得する必要があります。賃金の減額に関してトラブルに発展した場合、減額について従業員から口頭で同意を得ていたと会社側から主張しても、裁判所ではほとんど認められません。 - 同意書は十分な説明をした上で行う必要があります。特に、賃金の減額については、同意書をもらったとしても「自由な意思に基づく同意ではない」などとして、単に「同意」があれば良いとするのではなく、従業員の「真意」がどうだったかが対象となります。
(2)役職者を降格させ給与を引き下げる場合
- 役職者については、会社が能力や勤務状況から、その役職にふさわしくないと判断したときは、役職を下位のものに引き下げたり、役職を外すことが原則として可能です。
- ただし、給与の引下げは本人にとって大きな不利益になるので、役職を下げたことによる賃金の引下げが、トラブルに発展するケースも少なくありません。
- 会社が対象者の役職を引き下げる必要があると判断した理由を、十分に説明する必要があります。
◆以下の場合は、降格に伴う減額であっても注意する必要があります。
①役職給の減額や支給停止にとどまらず、基本給も減額する場合
②役職を下げる合理的な理由がないのに、退職に追い込むことを目的とし降格させ、給与を引き下げる場合
③役職が下がったり役職から外れたりしていても、実際の職務内容や責任の程度に変更がなく、賃金だけが減額になっている場合
④有給休暇の取得など正当な権利の行使を理由に降格させ、給与を引下げる場合
◆賃金の減額についてはどの方法でも制限があり、安易に従業員の賃金を引き下げることはできないことに注意する必要があります。
「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行う留意点
パートやアルバイトを中心に、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期ごとに作成される勤務割や勤務シフトなどにおいて、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような形態があります。
◆シフト制労働契約の締結にあたっての留意点
①始業・終業時刻
労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働条件通知書などに、単に「シフトによる」と記載するだけでは不足であり、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な始業・終業時刻を記載した上で、労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表等を併せて労働者に交付する必要があります。
②休日
具体的な曜日等が確定していない場合でも、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明記する必要があります。
雑記
希望者に無償配布することが決定した〝アベノマスク〟。8000万枚もの大量在庫が問題になっています。応募枚数が2億8000万以上になったといいますが、その配送料がなんと10億円にのぼ ると試算されたそうです。このまま、廃棄すれば6000万円、保管費用は6億円にものぼっており、アベノマスクにより最初から廃棄まで、どこまで無駄な金額を使うのでしょうか。。驚く金額です。いずれにしても、税金の無駄遣いは批判の声が相次いでいます。年金は減り、社会保険料負担は上が る一方です。物価も上昇しており、家計の負担は苦しい状況の中です。こんな無駄遣いがなければ、コロナで苦しんでいる沢山の人が救われるのに・・と思わずにはいられません。