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エントリー「ステラ通信2022年5月号」

ステラ通信2022年5月号

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令和4年5月号(第80号)

社会保険労務士事務所 ステラ通信

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〜問題社員クリニックのトラブル〜

ビジネスガイドより

『能力不足が顕著だが、退職勧奨に応じない職員に悩むクリニックの退職勧奨事例』

概要は
クリニックの受付として中途採用した職員の能力不足が著しく、患者からクレームが出たり、他の職員に悪影響を与えていた事案です。

①この職員には一般企業や他のクリニックで受付事務として勤務した経験があり、クリニックが正職員として採用しました。
②ところが、勤務開始当初から患者の名前を間違える、会計で誤差を出す、患者の予約を予約管理管理表に記入し忘れなど、ミスを繰り返しました。
③院長や先輩職員が何度も注意しましたが、一向に改善される気配がありませんでした。
④試用期間の途中でこの職員に対して退職勧奨を行いましたが、職員は「絶対辞めません」と回答し、退職を断りました。

◆対象職員の発生した問題点を、弁護士がヒアリングした結果以下の点がありました。

  • 現在試用期間中であり、試用期間満了日までは 2 ヶ月半の期間があること
  • 受付事務の経験があり、即戦力として採用したにもかかわらず、単純な注意不足を原因とするミスが多かったこと

◆院長はこの職員に辞めてもらいたいと考えていました。しかし、試用期間中の解雇であっても、裁判所に解雇を正当と認めてもらうためには、相当のハードルがあります。

◆そこで、解雇により問題を解決するのではなく、まずは試用期間満了まで対象職員の業務能 力の改善を目指し、指導を行うことを助言しました。試用期間満了が近づいても対象職員の業務改善が見られなければ、再度、退職を求めると話し合いをしました。

退職を断られた理由は
対象職員は、院長や先輩職員から注意、指導を受けているにもかかわらず、自己認識としては、「自分は十分仕事ができている」と思っているのです。
つまり、クリニックでは自分は能力不足と評価され、院長も他のスタッフも対応に困っていることが十分に伝わっていなかったのです。

◆このような自己認識のまま退職に向けた話をしても、うまくいきません。退職に向けた話をする前に、まず、自分が職場で必要とされる能力を発揮できていないことに気付かせ、自己認識を変えさせる必要があります。

◆雇用主側から改善すべき点をまとめた文章を渡すだけでなく、自分の課題を整理して文書化させることにより、指導をどのように理解し受け止めているのかを把握することが重要です。

◆クリニックの指導努力により、試用期間満了日に、人格を傷つけないよう「あなたには他社で能力を生かせる部分があると思いますが、うちの職場には合っておらず、雇用の継続が難しい」という話をし、その結果、素直に退職を受け入れました。

ある弁護士の書籍に
☆ ☆「院長 クレーマー問題職員で悩んでいませんか?」☆ ☆

という見出しに目がいきました。その書籍の中で、採用に関して、これは一般企業にも適用することと思い抜粋してみました。

◆労働問題の大半は、採用のミスマッチに原因があります。人手不足の医療分野においてはなおさらです。申し込みがあるだけでと、十分な選考過程も経ずに、面接の印象だけで採用してしまうと、問題社員に頭を抱えることになります。採用して数か月で「これは参った」と言って相談にくる院長は少なくないです。

◆いったん採用してしまえば、スタッフは労働法で保護されます。だからこそ採用の際は、人手不足だからと片付けず、慎重になっていただきたい。
ハローワークにおける募集の記載方法を工夫するだけでも申込者数に変化が出ます。
実際、ハローワークの募集で「女性にとって働きやすい職場です」という文言を目にするが、求職者にとって必要な情報は、〝なぜ女性にとって働きやすい職場といえるのか〟という具体的根拠です。今いる女性スタッフに意見をもらうのが効果的です。

〖ポイント① 面接に大きな期待を寄せない〗

◆求める人材像にありがちな「真面目さ」「素直さ」といった要素は、あまりにも抽象的で選考基準にはなりません。誰しも真面目で素直な人を見極めて採用したい。だが履歴書と面接では、見極めることができないからこそ、苦労しているのが現実です。「30分くらいの面接で人の本質などわかるはずがない」と覚悟しておくべきです。書類選考で少し違和感を覚えたとしても、面接で悪い印象を受けなかったので採用というのが大半です。こういったパターンは、事後的にトラブルになることが少なくないです。人は、一度会ってしまうと、良いイメージを抱いてしまいがちです。面接前の書類が重要となり、短期間にあまりにも入社・退社を繰り返している人物は、注意です。履歴書にしても、志望動機にしても、すべて自己申告でしかないため鵜呑みにするのは危険です。

〖ポイント② 面接でスキルと適正を見定める〗

◆履歴書に経験があるといっても、実務能力には幅があり、記載のあったスキルについて踏み込んで、具体的なレベルを質問して確認します。

◆あえて予想していないような質問をしてみます。個人的(弁護士)には、本人が経験した失敗と回復について聞くことが多い。誰しも真剣に仕事をしていれば、失敗し落ち込みます。だからこそ、失敗との向き合い方と回復を本人の言葉で表現できれば、本質が明らかになります。

雑記

 先日、信毎に18歳未満ヤングケアラー支援として、県と8市町村で支援事業に乗り出す記事を見ました。私は以前から、ヤングケアラーについてテレビで実態を見たのをきっかけに、この問題の大きさに心を痛めておりました。
ヤングケアラーの大きな問題は、両親のどちらかが離婚・死別により、要介護状態の家族のために大 人が担うような責任を引き受け、家事や家族の世話、感情面のサポートも行っているという子どもや若者が、家族を思い介護に携わり学業を諦めてしまうことです。家族の介護により、友人関係が希薄になりがちで、孤立してしまうそんな状況は、楽しいはずの青春時代が無くなってしまいます。支援事業を充実させ、早くこのような若者に手を差し伸べていただきたいと思います。